名刺サイズのレコーダー「Notta Memo」。付属するiPhoneのMagsafeに対応した専用ケースを装着するといつでもどこでも録音可能です。裏側に物理的に貼り付ける形で、ボタンひとつで録音開始。アプリを立ち上げず指先一つで簡単に録音が始まります。机の上に置くスマホは、画面を下にしできるため録音を悟られにくい点はメリット。録音エリアも机を囲む程度の広さをカバーしているので会議程度ならきれいに録音できます。
スマートフォンやパソコンのアプリで録音していると、着信やアプリ操作によって記録が途切れてしまうことがありますが、Notta Memoなら独立して録音でき重要な場面を逃す心配がありません。
病院の診察室での会話、突然の電話、聞き逃したくないテレビやラジオの音声など、日常生活で録音したい場面は結構あります。その点、Notta Memoならスマホといっしょに持ち歩くため、利用シーンを逃さず、気軽にすばやく音声ログを残すことができます。さらに、録音データは自動でアプリに転送され、文字起こしや翻訳、要約までしてくれます。本記事では、実際にNotta Memoを使った感想、特徴、スペック、活用方法など詳しくレビューします。
ポイント
- いつでも録音できる状態はかなりの安心感
- 認識は完璧ではないが、要約はかなり優秀で使える
- 高い!と思ったが使うと手放せなくなる
Notta Memo 特徴と基本情報

- Notta Memoと「Notta」アプリとWebサービス
- 専用デバイスNotta Memoのスペック
- 録音の使いやすさと操作性について
- 骨伝導マイクによる通話録音の仕組み
Notta Memoと「Notta」アプリとWebサービス
Notta Memoは、カード型の録音デバイスです。単体で録音できますし、AI文字起こしアプリ「Notta」とシームレスに連携して使うこともできます。スマホとは独立して動作するので他のアプリの着信や通知で録音が途切れるリスクはほぼありません。ネットワーク環境が不安定な場所や外出先でも安心して使用できます。この点は大きな魅力です。
内蔵で32GBのメモリがあり2000時間分の録音が可能。5つのマイクで360°の音を拾うことができ、最大3m先の音声も録音できます。録音した音声はBluetoothまたはWi-Fiを通じてNottaアプリに即座に転送され、自動で文字起こしや翻訳、要約が行われます。
アプリに転送されたデータは、webサービスと同期されます。PCで自分のアカウントにアクセスすれば文字修正や要約が簡単にできます。
カードサイズで薄型で小さいので、机の上にもさり気なく置くことができます。さらにiPhoneのMagSafeに対応している付属の専用ホルダーに入れ、iPhoneの背面に取り付けておけば、スマホを手にすればいつでも録音機がある状態になります。電話録音にも対応しているので大きな安心感を手に入れられます。
また対面の会話の場で、スマホの画面を下にして机に置けば相手へは「スマホは見ませんよ」というメッセージを送りつつ、背面のNotta Memoで録音するといった使い方も可能です。
専用デバイスNotta Memoのスペック

Notta Memoは、薄型かつ軽量なカード型デザインを採用しており、名刺入れに収まるほどのサイズ感です。
厚さは約3.5mm、重量はわずか28gと、日常的に持ち運んでも負担にならない仕様になっています。
本体には4つの高感度MEMSマイクと1つの骨伝導マイクが搭載されており、会議室の発言や通話音声を明瞭に記録できます。
内蔵ストレージは32GBで、2000時間の録音に対応可能です。
電源は専用の充電端子から充電します。バッテリー駆動時間は連続録音で最大約10時間。録音モードは会議用と通話用の2種類があり、側面のスイッチで簡単に切り替え可能です。ディスプレイを備えているため、録音状態やバッテリー残量をひと目で確認できるのも使いやすさのポイントです。
Notta Memo購入者にはスタータープランが自動付与され、月300分まで無料で文字起こしが可能です。追加コストを抑えながら日常業務で活用でき、議事録作成の時間を大幅に削減することができます。
直感的に操作可能=すぐ録音

Notta Memoは、スマホを操作せず直感的に扱える点が大きな魅力です。右側に配置されたボタンを2秒ほど長押しするだけで録音が開始され、同じ操作で停止できます。
録音モードは「会議用」「電話用」の2つあり、切り替えはスライドスイッチで行います。複雑な設定を覚える必要はありません。
録音中はディスプレイにステータスが表示され、録音が正常に進んでいるかを即座に確認できます。録音が終了してからスマホでNottaアプリを立ち上げると、データは自動的にNottaアプリへ転送され、すぐに文字起こしが始まります。
スマートフォンと接続していない状態でもデバイス内部に録音が保存され、後から転送できるため、ネット環境がない場所でも安心して利用できます。
骨伝導マイクによる通話録音の仕組み
Notta Memoには、通常のマイクとは異なる「骨伝導マイク」が搭載されています。骨伝導マイクは、スマートフォンのスピーカーから直接音を拾うのではなく、本体を通して伝わる音の振動を検知して録音します。これにより、周囲の雑音に影響されにくく、通話相手の声を明瞭に記録できます。
特に、LINEやRakuten Linkといった多くのスマートフォンで録音制限のある通話アプリでも、制限に左右されず記録できる点は大きなメリットです。
利用する際は、MagSafe対応ケースにNotta Memoを装着し、側面のスイッチを通話録音モードに切り替えるだけで準備が完了します。
スイッチを上げると電話アイコンが表示され、録音の準備が整ったことがわかります。録音中は、相手の声を骨伝導マイクが拾い、自分の声は内蔵マイクで収音されます。ただし、イヤホンやワイヤレスヘッドセットを使用した通話には対応していないため、スマートフォン本体で通話する必要があります。
Notta Memo 実機レビュー

- 会議やインタビューでの実用性
- リアルタイム文字起こしと翻訳機能の活用
- 無料で使えるスタータープランの詳細
- 価格とコストパフォーマンスの評価
- 利用時のデメリットや注意すべき点
- Notta Memoをおすすめできるユーザー像
会議やインタビューでの実用性
Notta Memoは、会議やインタビューの現場で特に力を発揮します。独立した録音デバイスであるため、スマートフォンやパソコンのように他のアプリ通知や着信で録音が中断する心配がありません。机の上に置くだけで複数人の発言を拾える高感度マイクを備えており、発言者が離れた位置にいても内容を明瞭に記録できます。
さすがに数メートルもある机の端と端では認識が難しくなりますが、通常のテーブルでは問題な録音が可能です。話者識別もまずまず優秀です。言葉が飛び交う場面や、相づちはさすがに分離が難しいですが後で編集可能なのでさほど問題になりません。
録音終了後はすぐにアプリへデータが転送され、自動的に文字起こしが開始されます。転送スピードは1時間程度の会議で5分ほどかかりますが、人が議事録を作成する時間に比べれば遥かに高速です。スピードが求められる場面で大きな効果を発揮しますし、録音データがあるので正確性も確保できます。
課題は機器よりも人にあります。みんながアナウンサーのように滑舌良くはっきりと話してくれればいいのですが、ほとんどの人は話し方にクセがあります。そのため認識精度が落ちてしまいます。この部分は手動で修正対応するしかありません。
リアルタイム文字起こしと翻訳機能の活用
Notta MemoとNottaアプリを組み合わせれば、録音中の音声をリアルタイムで文字起こしできます。会議や講演では、画面端にキャプションとして文字を表示することができ、内容をその場で確認できるため、聞き漏らしや理解不足を防げます。
さらに、リアルタイム翻訳機能を使えば、外国語で行われる会議や打ち合わせでも即座に母国語に変換して表示でき、スムーズな進行を支援します。この機能は海外との取引や国際会議、語学学習など、多様な場面で役立ちます。個人的には「日本語のみ」なのでほぼ使わない機能です。
録音を後で聞くか、リアルタイムに聞くかはそれぞれの状況に合わせて使い分けるのが良いでしょう。いずれにせよ会話の文字認識が少々間違っていても、AI要約で出てくる文章はなぜか内容がほぼ合っています。
文脈を読み取る機能が高いのかもしれません。事前に単語登録を増やしたり、参加者データを入れていくと更に精度を増します。
無料で使えるスタータープランの詳細
Notta Memoを購入すると、自動的に「スタータープラン」が付与され、毎月300分までの文字起こしが無料で利用できます。1回の録音は最大5時間まで対応できるため、長時間の会議や講演もカバーできます。さらに、文字起こし以外にも要約や話者識別、AIチャット機能など、上位プランとほぼ同等の機能が利用可能です。これにより、追加料金を支払わなくても日常的な業務や学習で十分活用できます。
ひんぱんに商談や会議をしない方であれば、300分あれば十分です。私の場合は月の半分から3分の1で会議や面談が入るため有料プランにしています。プレミアムプランを選び、月1800分の枠を確保しています。
入会後、わりと頑張ってNotta Memoを使い、1ヵ月後に確認すると録音時間は1000分を超えていました。利用枠の1800分まではまだ余裕があったので、安心して使えます。より多くの録音や翻訳を必要とする場合は有料プランへの切り替えを検討する価値は十分にあります。
結局ほしいのは逐語録ではなく議事録=要約=次に何をするかです。
価格とコストパフォーマンスの評価
Notta Memoを導入するにあたり一番のハードルが価格でした。
iPhoneのボイスメモで録音→GeminiやChatGPTで文字起こし。データを整理、要約。
この方法なら追加予算が不要です。AIの性能も良くなり音声認識はかなりの精度が出ています。
欠点は、アプリを立ち上げないといけないことと、音声の聞き取りがスマートフォンのマイクであることです。
このデメリットを解消しようとすると、アプリを立ち上げた状態で会議メンバーの中央にスマートフォンを置く必要があります。ここまでしてもマイクは所詮「電話用」なので、音を拾う範囲はどうしても狭くなります。
とはいえNotta Memoの販売価格は23,500円。(¯―¯٥)
6000円もあれば購入できる一般的なICレコーダーと比較すると高い。AIによる文字起こしや翻訳機能とセットで利用できるといわれても、試していない段階でこの金額を払うのは躊躇します。Plaud Noteなど他の製品も気になります。比較検討できるほどの予算もありません。ああ悩ましい…。「ええい!」
そんな葛藤を経てNotta Memoを購入しました。
結果、、、、
(-_-;)
(^o^)満足です。操作は簡単なので、使いながらすぐ覚えられます。特に病院での診察では役に立ちます。短い上に専門用語が多く、こちらも悠長にメモを撮る余裕がない状況で、会話を録音してくれるのは大きな安心になりました。
議事録作成に多くの時間を費やしているビジネスパーソンにとっては、作業時間を大幅に削減できるため、長期的にはコスト以上の価値を得られるでしょう。さらに、スタータープランが無料で付与されるため、継続的な利用にかかる負担も小さく抑えられます。
Notta Memo (Amazonリンク)
Notta Memo利用時のデメリットや注意すべき点

充電端子が4ピン
Notta Memoを使っていて最も不満なのが充電端子が4ピンという特殊な形をしていることです。競合商品のPLAUD NOTE AIレコーダーも同様の端子ですが、普段なじみのない形で、専用のケーブルが必要です。
USB Type-Cや、せめてLightning端子なら余るほどありますが、4ピンの充電ケーブルはNotta Memoに付属してきた1本しか持っていません。そのため常時持ち歩くか、職場と自宅のように居場所が複数ある場合は充電用に別のケーブルを買う必要があります。Amazonで探すといろいろと商品はあります。
- Notta Memo AI ボイスレコーダー 対応 充電ケーブル 4ピン 充電器 USB+Type-C端子
- For Notta Memo AI ボイスレコーダー 充電ケーブル USB充電器
- スマートウォッチ 充電ケーブル 変換アダプター 変換マイクロ 充電ケーブル 4ピン ピン間の距離 7.6mm対応 充電器
どれも1000円程度なので金銭的負担感は少ないですが、「専用ケーブルが必要」という心理的なわずらわしさは感じます。
薄さを重視した結果、サイズ的にType-Cを採用できなかった面はあるのでしょう。でもここは少々厚みが増してもType-Cで充電できるようにしてほしかったところです。
間違って録音開始ボタンを押しがち
Notta Memoをスマホ背面に取り付けていると利便性は高い一方で、「つい録音ボタンを押してしまいがち」です。
録音ボタンのタッチが軽いので、少し強く指が触れても作動します。カバンの中で何かが当たっても動き出します。できればロック機構もつけてもらえると良かったと思います。
ボタンは0.5秒押しで起動、2秒押しで録音開始・終了、5秒押しで電源オフです。録音中は小さなディスプレイにマイクマークが表示されますが、いまいち録音中なのかどうか判別しにくい感じがします。録音中は赤いランプがつくなどもっとわかりやすいシグナルが欲しかったところです。
単体で再生できない。ケースが滑りやすい
こちらは欠点といえるほどではありませんが単体で再生はできません。録音専用です。録音内容を聞くにはアプリやPCでサイトにアクセスするしかありません。きれいに録音されているかどうかは確認しづらい面はあります。
また、付属としてついてくるレザー調のケースですが、充電端子部に穴が空いていて、ケースをつけたまま充電できるのは助かります。しかし素材が今ひとつです。ものすごくすべすべで摩擦が少ないためスマホを持ったとき「手がかり」がなく持ちにくいです。指を通す場所でもあればいいのですが、加工が難しそう。リングがついていれば少し違ったかもしれません。
そのほか、通話録音では骨伝導方式を採用しているため、イヤホンを使用した通話には対応できません。これらを理解した上で導入することが重要です。
Notta Memoをおすすめできるユーザー像
Notta Memoは、会議や取材の議事録を効率的に作成したい人に最も向いています。特に、スマートフォンを業務で多用しながら録音も必要とするビジネスパーソンにとって、録音が途切れない点は大きな安心材料です。また、翻訳機能を活用すれば、国際的な取引や海外の情報収集にも役立ちます。一方で、音楽録音や高音質を求める利用には不向きです。このように用途を明確にすれば、自分に合ったデバイスかどうか判断しやすくなります。
まとめ:Notta Memoがもたらすメリット
Notta Memoは、AI文字起こしアプリNottaを最大限に活用するために設計された専用デバイスです。独立した録音機能により途切れない記録が可能であり、会議や通話を自動でテキスト化できる点は、業務効率化に直結します。スタータープランによる無料利用枠も備えており、初期投資後のランニングコストも抑えられます。注意点はあるものの、議事録作成に時間を取られている人や国際的な業務を行う人にとっては、導入する価値が十分にあるデバイスといえるでしょう。
- 会議やインタビューの録音がスマホやPCより安定して行える
- 独立型デバイスのため通知や着信で録音が中断しない
- 録音データは自動でアプリに転送され文字起こしや要約が可能
- ネット環境が不安定でも内部ストレージに保存でき安心
- 薄型軽量で持ち運びやすくMagSafe対応ホルダーでiPhone装着可能
- 高感度MEMSマイクと骨伝導マイクで会議や通話を明瞭に録音できる
- 録音モードは会議用と通話用の2種類で簡単切り替えが可能
- 録音中の状態やバッテリー残量をディスプレイで確認できる
- 購入時にスタータープランが付与され月300分まで無料利用可能
- リアルタイム文字起こしや翻訳機能で国際的な会議にも対応可能
- 会議後のデータ転送と文字起こしが人手より圧倒的に高速
- 高価格だが長期的には議事録作成時間の削減でコスト以上の価値
- 音質は良好だが圧縮がかかり高音質録音には不向き
- 通話録音はイヤホン非対応でスマホ本体での通話が必要
- 議事録や国際業務に特化したユーザーに導入価値が高い
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PLAUD NOTE