来年の手帳どうする?ゆるゆるバレットジャーナルで無理なく続く方法

来年の手帳どうする?ゆるゆるバレットジャーナルで無理なく続く方法

来年の手帳が文具コーナーを賑わす季節。来年はどんな手帳にしようかと悩んでいませんか。毎年いろいろ試してみるもののなんかしっくりする手帳がなく、また選び直す。私もその一人でした。そこで、この悪循環を断ち切ろうと始めたのが「バレットジャーナル」。しかもルールゆるゆるのぐうたらジャーナルです。手元にあるノートで実験的に始めたところ比較的楽に続けられているので良かったです。今回はそんな「ゆるゆるバレットジャーナル(ゆるバレット)」のページ構成から手法まで解説します。

この記事でわかること

  • ゆるゆるバレットジャーナルの基本セットアップ
  • つまずき解消のコツ
  • ページ構成と考え方
  • 継続しやすい道具の具体例

バレットジャーナルの基本構成をおさらい

  • バレットジャーナルの基本
  • キーとインデックス
  • ログページ詳細

バレットジャーナルとは

バレットジャーナルとは、箇条書き(バレット)と記号(キー)を使ってタスクや思考を効率的に記録・整理する手帳術で、米国のライダー・キャロルさんが考案しました。道具はノートと筆記具。思考やタスクを、箇条書きを使って素早く書き込む。とにかくメモしまくる。メモは後で活用できるようにインデックスをつける。タスクや予定はフーチャーログ、デイリーログにまとめて忘れないようにする。手帳術というよりノート術です。

集中できないことに悩んだキャロルさんが、どうすれば大事なことを忘れず実行できるかを考え抜いてたどり着いた方法で、きちんと仕組み化された素晴らしい方法です。

ノートのサイズは、好き好きですが持ち運びやすさと記入スペースのバランスからA5サイズが最も一般的なようですね。中でもドット方眼ノートは、罫線に縛られることなく、表やリスト、イラストなどを自由に組み込めるため人気です。仕様は、厚紙表紙で180度フラットに開き、ページ番号付きをおすすめされることが多い感じです。代表的なのはロイヒトトゥルムです。

キー(記号)とインデックスの作り方

バレットジャーナルの特徴的な仕組みが「キー」と「インデックス」。これを知ると整理がぐっと楽になります。

「キー」は、タスクや予定を識別するための記号ルール。インデックスは、書き込んだメモを後で参照する際の目次です。バレットジャーナルを始めるとき最初に見開きで「キー」と「インデックス」のスペースをつくるように紹介されます。

キーはバレットジャーナルの根幹ともいえる存在で、日々のタスクや出来事を瞬時に判別できるようにするための記号です。表は一例です。複雑にしすぎると逆に混乱を招くため、まずは基本的な記号から始めます。

記号意味補足
タスク実行が必要な用件
イベント会議、予定、記念日など
メモ情報や気づきの記録
重要優先度の高い項目
アイデア新しい発想や着想
×完了タスクの終了印
移動近日中に別日にスライド
先送り来月以降に移動

キーは最初から完璧に決める必要はありません。というか決められません。実際に使ってみる中で何度も書いていくうちに選別され、必要なキーが記録にも記憶にも残っていきます。アメリカやヨーロッパの手帳ユーザーの多くは、最小限の記号から始めて自分の生活に合わせて発展させている傾向があると報告されています(出典:米国Bullet Journal公式ガイド https://bulletjournal.com )。

ログページの種類と役割

「キー」と「インデックス」のスペースを作った後、ログを作ります。フューチャーログ(半年〜1年の予定)、マンスリーログ(月単位の予定)、デイリーログ(日単位の行動記録)の順で配置するのが基本です

以下の表は、基本セットアップの代表的な構成を整理したものです。

ログ種別役割作成タイミング主な要素運用ヒント
フューチャーログ半年〜1年の予定を俯瞰ノート開始時にまとめて重要日程、大枠目標毎月初めに確認し必要事項を転記
マンスリーログ月単位の予定管理月末〜月初カレンダー、月次タスク前月未完のタスクを明確に移動
デイリーログ毎日の行動・記録毎朝または前夜タスク、予定、メモ1日の終わりに進捗を処理
ウィークリーログ1週間の流れを可視化週初週間目標、配分必要な場合にのみ作成

 その後、フューチャーログ(半年〜1年の予定)、マンスリーログ(月単位の予定)、デイリーログ(日単位の行動記録)の順で配置するのが基本です。

さらに詳しいことはライダー・キャロルさんの著書「バレットジャーナル 人生を変えるノート術」を読んでください。

デジタル併用で続けやすい、ゆるゆるバレットジャーナル

  • デジタルカレンダー併用が前提
  • ゆるゆるバレットジャーナルで使っている道具
  • ゆるバレットのページ構成
  • 「インデックスはいらない」は本当か
  • フューチャーログは必要か
  • 続けることが最優先

完璧を目指さないノート術

ここまで基本のバレットジャーナルの構成を見てきましたがいかがだったでしょうか。ちょっと複雑で面倒くさくないでしょうか。記号だけでも結構あるのに、ログのページ間の関係性も理解しなくてはいけないなんて! 簡単に続けたいから選んだはずの手法に振り回されては本末転倒です

そんな私がゆるバレットを始めたのは、デジタル管理が容易になってきたためです。

デジタルの利点は、予定の時刻になると自動的に教えてくれる点や他の人との共有が簡単な点です。zoomリンクの送受信など手書きの予定表では実現不可能な機能もあり、もはやデジタルの予定表・カレンダーを使わない理由がありません。

一方、手書きは、ずっと取っておくほどではないけれど、なんとなく感じた思いを書いたり、日程のきまっていないことを思うままに記録したりして考えをまとめるのに向いています。手書きで思考を整理することで、記憶の定着や集中力の向上にもつながります。

その状況を前提として、デジタルと手書きで役割を分担します。デジタルは予定と重要・日常のタスクなど決まった予定を管理。手書きのゆるバレットは日々の感情や思索の記録、日程は決まっていないけどしたいこと・習慣の記録などを中心に記録します。手書きするのは、管理のためというより「ゆらぎを感じるため」という感じです。

種別役割
デジタル決まった予定・決まったタスク
ゆるバレット感情や思索・日程は決まっていないけどしたいこと・習慣の記録

ゆるゆるバレットジャーナルで使っている道具

ゆるゆるバレットジャーナルには日々の細かな出来事を記録していきます。そのため常に持ち歩けるサイズが最適です。私がいま使っているのはこちらです。

  • ノート=EDiT 手帳用紙を使った小さな方眼ノート・B7変型・PVCカバー付き
  • ペン=uniball ONE F 0.38
  • ステンシル=ほぼ日テンプレートベーシック

EDiT B7変形を選んだのは小さく軽くて持ちやすいから。ポケットに余裕で入ります。幅は88mmとスマホとほぼ同じです。重さは約105g。それなのに320ページもあります。中は5mm方眼で、とても使い勝手がいいです。

筆記具にuniball ONE Fを選んだのはEDiTのPVCカバーのペン差しと相性が良いから。上下にほんの少しはみ出す程度で「いい感じ」に収まります。色は黒オンリー。手間を省き、書くハードルを抑えるためです。それに安いので万が一落としてもダメージが少なくてすみます。

テンプレートは★をつけたくて使っています。必須ではありません。5mm方眼にピッタリの大きさの★があるので便利です。簡易的な定規にもなります。EDiTのカバーに入れています。クレジットカードより薄いので邪魔になりません。

ゆるバレットの基本ページ構成

「ゆるバレット」には「気持ちの切り替え」「感情のゆらぎを客観的につかむ」「手書き作業を残す」という大きく3つの役割を持たせています。予定はデジタルに全振りしています。

ページ構成は大きく2つ。「デイリーページ」と「ハーフマンスリーページ」です

デイリーページで気持ちを切り替える

1日の最初にするのは、デイリーページの作成です。この作業をすることで、気持ちが切り変わります。

まず見開きの左右ページに何も書いていないページを開きます。前日に左ページまで使っていたら、1ページめくって見開きにしてください。そして右ページの上に日付を記入。その下に前日のやり残しタスクと、今日のスケジュールを確認して新しいタスクを書いていきます。タスクが増えたら左ページに書いていきます。

タスクは先頭に・をつけて箇条書きで「〜すること」と記入。行動まで書くことで動きやすくします。完了したら✓を入れます。未実行の場合は・の左に>をつけて、明日に繰り越します。

タスク一覧がデイリーページの「表紙」のようなもので、次のページからいろいろなことをメモしていきます。メモは感じたこと、とっさの記録など何でもいいです。予定が入ったらデジタルに転記しましょう。重要なこと・忘れたくないこと・欲しいものもデジタルツールに入れ込みます。Notionやアマゾンのほしいものリストを活用します。デジタルのほうが検索性が高く思い出しやすいからです。

ハーフマンスリーページで気分を俯瞰する

毎月1日と16日には「ハーフマンスリーページ」を作ります。といっても手帳を横にして1〜15日(もしくは16〜31日)を意味する数字を縦に並べて書きます。ここにはその日の「気分」を★5つで簡単に評価して記入、睡眠時間を記録し、簡単な感想を書いていきます。書き漏らしても気にしません。ここをかける日は「余裕がある日」と考えます。

睡眠時間と感情評価を入れているのは、体調や気分の変化と睡眠時間の相関関係を見るためです。ここは運動記録でも服薬記録、退勤時間でもいいと思います。自由に決めてください。ただ書き込めるスペースが少ないので必然的に厳選されていきます。

構成は以上です。こんな簡単でいいのかと自分でも思いますが、手帳に書き込むという作業が気持ちの切り替えに役立っているので満足しています。

「インデックスはいらない」という選択

バレットジャーナルの特徴の一つにインデックスがあります。メモの内容と書き込んだページをまとめて一覧できるページを別につくることです。ページ数が増えるほど検索効率がよくなり、半年以上の長期運用や複数プロジェクトを同居させる場合は、最初に2〜4ページをインデックスに割く価値があるとされます。

しかし「ゆるバレット」にはインデックスは作っていません。そもそも長期的に残したい記録や重要なメモはデジタルに収納することを前提としているからです。デジタル化すれば検索性は圧倒的ですし、物理的な場所も取りません。なによりインデックスをつくるのは面倒なのでやりません。

フューチャーログを作らない理由

一般的なバレットジャーナルには、フューチャーログのページがあります。フューチャーログで目標やイベントを集約し、月・週・日で具体的なタスクに分解します。期限と依存関係を明示して、目標を実現する目的です。

「ゆるバレット」にフューチャーログは作っていません。それは「目標の実行管理」という機能を持たせていないからです。タスクを分解し、期日を設けてこなしていくことが重要なのはわかっていますが、B7変型という小さな手帳ですることではありません。マインドマップなど別のツールを使いましょう。

続けるためのコツと考え方

バレットジャーナルを続けられない原因は、「書き方が難しいから」ではなく、仕組みが自分に合っていないからという場合が多いです。
最初は誰でも理想を追いかけたくなりますが、完璧を目指すほど続かなくなります。
大切なのは「続けられる仕組み」を先に作り、「書きたい気持ちが湧く状態」を保つこと。

ここでは、ゆるゆるバレットジャーナルを無理なく習慣化するための考え方を紹介します。
手帳やノートは目的ではなく、あなたの思考を助ける“道具”にすぎません。形にこだわらず、自分の生活リズムに溶け込ませることがポイントです。

装飾よりも見直しの習慣を

SNSで見るような華やかなページは目を引きますが、実際に長く続けている人は意外とシンプルな使い方をしています。飾ることに時間を使うよりも、ページを開く回数を増やすほうが習慣として定着します。

おすすめなのは「1日1分だけでもページを開く」ルール
朝起きてコーヒーを飲みながら、夜寝る前にベッドで眺めるだけでもOKです。
記録する内容がなくても、ページを開くこと自体が“行動のトリガー”になります

さらに効果的なのが、「見直しの時間」を意識的にスケジュールに入れること
たとえば週末の数分で「できたこと」「気づいたこと」をざっと確認するだけでも、
頭の整理が進み、次の週への意識づけがスムーズになります。

この見直しの積み重ねが、「書く意味」を再確認する時間にもなります。
最初は惰性でも構いません。ページを開いてペンを持つ、その小さな行為があなたの“思考リセット”になるはずです。

書くことを義務にせず、「ちょっと立ち止まる時間」として扱うのが、ゆるバレットを続ける最大のコツです。

自分仕様にカスタマイズして育てる

バレットジャーナルの魅力は、誰のものでもない「自分だけの仕組み」に育てられることにあります。
最初に決めたフォーマットやルールにこだわらず、「書きにくい」と思ったら柔軟に変えていきましょう。

たとえば、毎日ページを作るのが面倒なら、1週間を1見開きにまとめるウィークリースタイルに変更してもOK。
逆に日々の感情を記録したい人は、気分ログや体調トラッカーをページの片隅に描くのもおすすめです。
「完璧なテンプレートを使う」のではなく、「自分の行動を観察して調整する」感覚でページを進化させると、ノートがどんどんあなたらしくなっていきます。

もうひとつのコツは、使い心地を“実験するつもり”で始めること
試して、違和感があれば変える。
それを繰り返すうちに、自分が続けやすいペースや構成が自然と見えてきます。
バレットジャーナルは「完成させるもの」ではなく、「育てていくプロセス」なのです。

そして何より大切なのは、「続けている自分を褒める」こと。
たとえ1行しか書けなくても、それはゼロではありません。
小さな積み重ねが、自分の変化や成長を“見える形”で残してくれます。

習慣化を助けるちょっとした工夫

もしモチベーションが続かないときは、環境を整えるのも効果的です。
お気に入りのペンを1本決める、書く場所を固定する、照明を少し落として集中時間をつくる——。
そんな小さな工夫が「書く行動」を自然に誘導してくれます。

また、ノートの冒頭に“ゆるバレットの目的”を書いておくのもおすすめです。
「気持ちを整えるため」「自分のペースを可視化するため」など、原点を一言メモしておくことで、迷ったときの道しるべになります。

続けるためのコツは、決して気合や根性ではありません。
ハードルを下げて、楽しみながら“続けられる状態”を設計すること
それがゆるゆるバレットジャーナルの本質です。

まとめ バレットジャーナルのページ構成

  • バレットジャーナルは思考とタスクを整理するノート術
  • 必要な道具はノートとペンのみで気軽に始められる
  • 記号ルールのキーは最小限から始めて調整する
  • インデックスは長期運用時のみ必要になる
  • ログページはフューチャー月次日次の順で構成する
  • デジタルツール併用で予定管理を効率化できる
  • 手書きは感情や思考を整理する時間に向いている
  • ゆるバレットは予定より気分や思索を記録する形式
  • デイリーページで毎朝気持ちの切り替えを行う
  • ハーフマンスリーページで気分や睡眠を俯瞰する
  • 記録内容は完璧を求めず続けられる範囲にする
  • インデックスやフューチャーログを省略してもよい
  • デジタルに重要事項を集約して検索性を高める
  • 装飾よりも見直し習慣を重視して運用する
  • 続けることを最優先に自分仕様へ育てていく