最近、Obsidian(オブシディアン)というメモアプリを使い始めました。
今までiPhone純正のメモアプリやNotionを使ってきましたが、それらはどちらかというと「情報の保管庫」。知識を溜め込むことには長けているけれど、そこから新しい何かを生み出す「アウトプット」には活用しきれていない……というモヤモヤをずっと抱えていました。
そんな時、「ObsidianはAIとの相性が抜群に良い」という噂を耳にし、重い腰を上げて移行を決意。
今回は、完全初心者がObsidianの「黒い画面」に挫折しかけながらも、環境を整えて「ノートを育てる」楽しさに気づくまでを記録します。
第一印象は「何をしていいかわからない」
インストールして最初に思ったこと。それは、
「……で、どうすればいいの?」
でした。
Obsidianの画面は非常にスタイリッシュでかっこいいのですが、初期状態はあまりにもシンプル。Notionのようにテンプレートが充実しているわけでもなく、ただ黒い画面が広がっているだけ。「自由に使っていいよ」と言われても、初心者にはその自由さが逆に高い壁として立ちはだかります。
第一印象:英語の壁と「懐かしい」手触り
インストールして最初に思ったこと。それは、 「……なんだか、ハードルが高くないか?」 でした。
まず、公式サイトが全部英語です。もちろんブラウザの翻訳機能を使えば読めるのですが、トップページから漂う「海外のエンジニア向けツール」感に、文系人間の私は少し怯みました。
勇気を出してダウンロードし、アプリを起動しても、画面の案内はやっぱり英語。「あれ、日本語対応してないの?」と焦りながら設定画面を探し、手動で言語設定を「Japanese」に変更する……。 最近のアプリは、インストールした瞬間からスマホやPCの言語設定に合わせて自動で日本語になっているのが当たり前です。そんな中、この「自分で設定してね」という不親切さは、逆に一昔前のPCソフトを触っているような不思議な懐かしさすら感じました。
しかし、その「懐かしい手触り」は同時に、「これは一筋縄ではいかないぞ」という予感(あるいは警戒心)を植え付けるには十分でした。 苦労して日本語化した後に広がるのは、漆黒の虚無(何もない画面)。
「……で、どうすればいいの?」
Notionのように親切なテンプレートが用意されているわけでもなく、ただ黒い画面が広がっているだけ。「自由に使っていいよ」と言われても、初心者にはその自由さが逆に高い壁として立ちはだかりました。
書籍との出会い:ノートは「書く」のではなく「育てる」
手探り状態でネット情報を漁る中、一冊の本に出会いました。
『Obsidianで”育てる”最強ノート術』(増井敏克 著)です。
この本を読んで、Obsidianに対する認識がガラリと変わりました。特に刺さったのは「ノート同士につながりを作って育てていく」という概念。
これまでのメモアプリの使い方は、
- メモを書く
- フォルダに分類する
- 終わり(たまに見返すだけ)
という一方通行なものでした。しかしObsidianでは、ノートとノートをリンク(関連付け)させることで、情報のネットワークを作ることができます。単なる記録が、データベースとして有機的に機能し始めるのです。
また、巻末に「Markdownリファレンス」がついていたのも初心者にはありがたかったです。最初は取っ付きにくかったマークダウン記法も、慣れればマウスを使わずに整形できるので、書くこと自体に集中できるようになりました。
最初の環境構築:KindleとGoogleドライブ
本やネットの知恵を借りて、まずは自分なりの「基地」を作ることに成功しました。
1. Amazon Kindleのハイライトを取り込む
読書が好きなので、これは必須でした。Kindleで引いたハイライト(マーカー部分)とメモをObsidianにインポート。
これまでは読みっぱなしで埋もれていた知識が、Obsidian上で検索可能なテキストデータとして扱えるようになりました。ここから自分の考えを追記したり、関連するノートにリンクを貼ったりすることで、読書体験がより深まりそうです。
2. Googleドライブを保管庫にする
データの保存先(保管庫)をローカルだけでなく、Googleドライブに移しました。これでPCのトラブルがあってもデータは安全ですし、他のデバイスからもアクセスしやすくなります(設定には少し工夫が必要でしたが、なんとかクリア!)。
「蓄積」から「活用」へ
これまで使っていたNotionや純正メモは素晴らしいツールですが、私にとっては「知識の貯蔵庫」止まりでした。情報は増えていくけれど、そこから新しいアイデアやブログ記事、成果物が生まれてこない。
Obsidianに移行した最大の目的は、**「AIを使ったアウトプット」**です。
Obsidianのデータは汎用性の高いテキストファイル(Markdown)なので、AIに読み込ませて要約させたり、アイデアの壁打ち相手になってもらったりするのに非常に適しています。
まだ使い始めたばかりですが、「ただ情報を集めるだけ」のフェーズから卒業し、集めた情報をリンクさせて「新しい価値を作る」フェーズへ。
AIという相棒を連れて、この「第二の脳」をどこまで育てられるか、これから試行錯誤していこうと思います。